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passing

小説や作詞について書きますし、余計なこともたくさん、そして自分の決心について日々思うことなんかも書くかもしれません

「Air」.81

 …希は幸せだった
 まさかドラマの人達にお祝いしてもらえるだなんて思ってもいなかったから。それに、こんなに沢山の人に誕生日をお祝いしておらうことなんて初めてだった。でもね、希にとって一番嬉しかったことは、自分の誕生日に空斗くんと一緒にいられたことなの。自分の誕生日会に空斗くんがいる…ただそれだけだった。このあと、空斗くんと2人っきりになれるのにね笑。そんなことわかっていたけれども、それでも希は目の前の現実を素直に喜んでいたの。
 この頃の希は素直だった…

 空斗くんはね、誕生日会の輪から少し離れていたんだ。ねえ、なんでだと思う?それはね、空斗くんは「自分は航空学院大学の生徒でお手伝いの身だから」って心の中で考えていて、遠慮していたんだよ!(笑)
 …謙虚な人だよね。
 そんな目ではきっと誰も空斗くんのことなんか見ていなかったのに。でも、監督と教官は空斗くんの内心にすぐ気がついたんだ。お二人はさすがだよね。

 同じ立ち位置になって、特に教官の人としての優しさと偉大さをとっても感じるんだ。
 希は空斗くんの考えていたこと、もちろんわかっていなかったんだよ!笑。「なんで空斗くんはあんなところにいるのかな?それに、ご飯も飲み物も持たないで…」って考えていたの。なんだか笑っちゃう(笑)
 でもね、空斗くんのその姿を見た希は彼の大好きなピザとジュースを精一杯持って空斗くんのところに行ったの。それから2人は仲良くピザを分けて食べていた。その姿を見た教官と監督は、空斗くんを誕生日会の輪には呼ばなかった。
 ううん。それだけじゃない。2人のその姿を見たキャストの人達や、スタッさん達も、希と空斗くんを静かに見守ってくれていたの。だから、現場には希と空斗くんの2人のグループと、誕生日会の輪の中でのグループに分かれていたんだ。この誕生日会の主役は希なのにね!…変なの!(笑)

 誕生日会は大体1時間半くらいの時間だった。終わったら空斗くんは少し慌て気味に希を連れ出したの。…空斗くんが慌て気味だった理由にも、彼の優しさが隠れてたんだ。あとは空斗くん自身の動揺も少しだけね(笑)
 でもさ、なんで空斗くんはそうしたと思う?わたしは知っているけれどね! 
だって、希にも言ったけど、わたしはなんでも知っているんだもん。
 いいことも、悪いことも、過ちも、全てを……