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passing

小説や作詞について書きますし、余計なこともたくさん、そして自分の決心について日々思うことなんかも書くかもしれません

「Air」.84

東京タワーの中に入ると空斗くんはわたしにチケットを渡してくれた。やっぱりこの時も、チケットは温かかったんだ。
「のぞみさん。エレベーターに行こっか!」
「うん♪」
わたしたちは係のおねえさんに案内してもらってエレベーターに乗った。エレベーターが動き出すと外の景色がどんどん変わっていったの。外は宇宙のようでとても綺麗だった。わたしは景色に見惚れていたの。でも、エレベーターが着くころに扉の方に体を戻すと、空斗くんと目が合ったんだ。
「空斗くんちゃんと景色見てた?」
「え、うん。見てたよ!」
「ほんとに?」
「…うん!」
「お待たせいたしました。間もなく大展望台2階ございます」
「あ、もう着くね!行こう!」
「うん♪」
扉が開いてわたしは一歩、また一歩と手すりの方へと足を運んだ。
「綺麗…」
わたしの目に東京の街の綺麗な夜景が写った。なんて表現すればいいんだろう… 写真に撮ってもダメ。きっとこうやってここで自分の目で見ないとわからない。そういう光景だったの。
「綺麗だね」
「うん。とっても綺麗…」
「喜んでくれたかな?」
「わたし、とっても嬉しい。。」
本当は「嬉しい」じゃなくて「幸せ」って言いたかった。
「それならおれも嬉しいな」
「ありがとう! でも、なんで空斗くんは今日東京タワーに決めたの?」
「のぞみさんは東京タワーが好きだって話していたから」
「えっ… 覚えていてくれたの?教官の車の中で1度言っただけだよね?」
「うん。ちゃんと覚えているよ」
「ありがとう、空斗くん…」
「うん。…少し周ってみる?」
「そうしよっか。」