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passing

小説や作詞について書きますし、余計なこともたくさん、そして自分の決心について日々思うことなんかも書くかもしれません

「Air」.95

「ねえ、空斗くん。今日はどこ行こっか?」
この時のわたしはこれ以上ないくらいの笑顔だったと思う。
「今日の終了予定は6時だから…夜遅くなっってもいけないから希の帰り道のどこかにしない?」
「でも、それだと空斗くんが大変じゃない?」
「おれはいいんだ、希がなによりも大切だから」
「えっ…そんな。嬉しいけど、恥ずかしいよ。」
もう周りは薄暗かったからなんとか空斗くんの方を見ていられたけど、明るかったらそうは出来なかった。
「だって、希が素直になっていいよって言ってくれたから」
「そうだったね。でも…本当にいきなり素直になったね。」
「うん。おれの素直な気持ちだから」
空斗くんの気持ちがわたしにはとっても嬉しかった。
「ありがとう…じゃあ、大門辺りはどうかな?」
「いいけど、それだったら汐留はどう?」
「汐留?」
「うん!おれは汐留が好きでたまに遊びに行ったりしてるんだけど、希はあんまり行かないかな?」
「汐留は通ったりはするけど、遊びには行かないかな。汐留って新橋の隣だし、あの辺って大企業のオフィス街じゃない?」
「そうなんだけど…いいや。おれを信じてついてきてくれないかな?きっと希も気にいってくれると思う」
「うん、わかった!空斗くんのこと信じてついて行くね。」
汐留って、わたしにはどうしても隣の新橋の印象が強くて、ガード下の立ち飲み屋さんが多く並ぶイメージ…クリスマスイブの夜っていうロマンティックな響きから少し不安も感じていたんだ。…でも、きっと大丈夫。空斗くんはそう思える人だから。
「ありがとうね!おれも少し久しぶりだから楽しみだな。お店も任せてもらっちゃって大丈夫?」
「うん!いいよ。」