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passing

小説や作詞について書きますし、余計なこともたくさん、そして自分の決心について日々思うことなんかも書くかもしれません

「Air」.96

大門で降りたわたしと空斗くんは大きな通りをずっと真っすぐに歩いている。でも、これって本当に新橋に向かっているような雰囲気だけど、大丈夫かな?胸の内は少し心配だった。
「ちょっと遠かったかな。希は疲れてない?大丈夫?」
「うん、わたしは大丈夫だよ!」
「それならよかった。ここを右に曲がるからね。ちゃんと前を見ていてね」
「うん。」
右に曲がって少し歩くと空気が変わったような気がした。「あれ?なんだか変」…そう思いながら一歩、また一歩と足を前へ踏み出す。
「着いたよ」
空斗くんのその言葉と同時にわたしの目の前には信じられないくらい綺麗な光景が飛び込んできた。
「すごい…日本じゃないみたい。」
赤レンガで彩られた建物や道路。それに広場に置かれた黒色のベンチ。他にだって…… それらが醸し出す雰囲気が、わたしをまるでイタリアにいるような気持ちにさせてくれる。
「気にいってくれたかな?」
「うん!綺麗だし、とってもおしゃれ…汐留にこんなところがあったんだ。」
汐留という街に正直期待はしていなかった。それでも空斗くんと一緒にクリスマスイブを過ごせるならそれで十分かなって思っていたけど、今目の前に広がる光景たちがわたしのイメージを180度ひっくり返した。
「それはよかった。ここは落ち着いていてすごく好きなんだ」
「わたしも好き!」
「来たばっかりなのに?」
「うん!もう好きになったよ!」
「本当に気にいってくれたみたいでよかったよ。じゃあ、ご飯食べに行こう」
「うん!」
この街を空斗くんと一緒に歩けてとても幸せ。