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passing

小説や作詞について書きますし、余計なこともたくさん、そして自分の決心について日々思うことなんかも書くかもしれません

「Air」.103

わたしの後ろには自由の女神様がいる。家を出て駅に着くと空斗くんからお返事返ってきたんだ。『学校終わったよ』って。それで今はこっちに向かっているみたい。
撮影がお休みの日に空斗くんに会えることがすごく楽しみだったの。だから、今日はいつもより頑張ったんだ。空斗くんに「可愛い」って思ってもらえるように。
……待ってる間って、なんだか緊張するね。
「お待たせ」
声の方に振り向くと空斗くんがいた。
「学校お疲れ様!」
「ありがとね。結構待ったかな?」
「ううん、全然待ってないよ。それにまだおやつの時間じゃないよ。」
わたしは公園の時計を指さした。
「へへっ、ありがとね。希さんはどこに行きたい?」
「うーんと、最初はお買い物に行かない?その後、少し暗くなってきたらこっちに戻ってきて歩いたりしないかな?…夜のお台場ってとっても綺麗だと思うし。」
「じゃあ、そうしよう」
「うん!最初はあそこのモールに行かない?」
わたしはモールのシンボルでもある大きなロボットの模型を指さした。
「そうしよっか」
わたしは空斗くんの隣を並んで歩き始めた。
「空斗くん、28日って会えないかな?」
「大丈夫だけど」
「よかった!28日は空斗くんの誕生日だもんね。今度はわたしが空斗くんのお誕生日を盛大にお祝いしてあげるんだから!」
「ありがとうね、すごく嬉しいよ」
「楽しみにしててね!空斗くんの喜ぶ顔が見たいからさ……」
「ありがとう。でも、最初に言っておきたいんだけど、おれは東京タワーなんか入らなくてもいいし、プレゼントもいらないからね」
「えっ、でもわたしは……」
「恥ずかしいんだけどさ、自分の誕生日に希と一緒にいられるのなら、おれ何もいらない。それがおれにとっては一番嬉しいから」
空斗くん……
「ありがとうね。でも、わたしは28日だけ空斗くんの傍にいるわけじゃない。いつだって傍にいるから。だから、28日はわたしに任せてもらってもいい?」
「ありがとう。…じゃあ、任せちゃおうかな、希に」
彼は少し俯きながら首の後ろをさすっていた。
「うん、任せなさい!」
「え?任せちゃって大丈夫なの?心配だなー」
「あー、そういうこと言う。空斗くんのいじわる!」
「いじわるでいいヨーダ
空斗くんのそっぽを向いたようなその言い方がおかしかった。
「なにその言い方。」
「変だったかな?」
「うん、なんだかおかしい!」
「そっか」
わたしも空斗くんも笑っている。
なんていうか…いいな、こういうのって。