読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

passing

小説や作詞について書きますし、余計なこともたくさん、そして自分の決心について日々思うことなんかも書くかもしれません

「Air」.107

わたしたちはモールの3階でハンドクリームのお店を見つけた。中に入るとたくさん種類があって店内はすごくいい香りに包まれていた。それに普通のハンドクリームと違って、入れ物がおしゃれな缶になっていてとっても可愛らしかったの。

「空斗くん!この匂い好き?」

空斗くんはわたしが差し出したサンプル品の香りをクンクンって嗅いでいる。その姿がわんちゃんみたいでかわいかった。

「柑橘系の匂いだね。いいと思うよ!」

「わたしもこの香りが好きでいつも柑橘系の香りのハンドクリーム使ってるんだ。」

「そうなんだね。だから希はいつも柑橘系のいい香りがするんだ」

「え、気づいてた?」

「うん。いつもすごくいい香りがするなって思っていたよ」ハンドクリームの香りに空斗くんが気づいてるとは思っていなかった。

「そうだったんだね。でも、ここのお店のブランドの物の方がわたしが今使っているものよりいいかも

「ここのハンドクリームはよかったかな?」

「うん!種類も多いしデザインも可愛くて好きだよ!」

「それはなによりだよ。よかったらおれの好きな香りも試してみないかな?」

「空斗くんもハンドクリーム使うの?」

「おれは使わないよ。さっき希が夢中でハンドクリーム見てた時におれもサンプル品の香りをいろいろ比べてたんだ。それでおれが気に入ったのはこれなんだけど、どうかな?」

わたしは空斗くんが出したサンプル品の香りを確認した。

「すごくいい香り…それに香りが優しい感じがする。これなんの香り?」

わたしはいろんな種類のハンドクリームを試したことがあったけど、この香りは今までに経験したことがない香りだった。

「これはフローラルの香りみたい」

「え、フローラルなの?わたしが知っているフローラルの香りと全然違う。」

「そうなの?おれ普通のフローラルの香りを知らないからよくわかんないや」

「……空斗くん本当にハンドクリーム詳しくないの?」

「なんで?」

一瞬不安を感じたの……

でも、きっと違うよね、空斗くんのことを信じよう。

「ううん、やっぱりなんでもない。空斗くんが珍しい素敵な香りのハンドクリームを見つけたからだよ。」

「ビギナーズラックってとこかな?」

「そうかもね。…決めた。わたしこれにするね!」

「柑橘系の香りのハンドクリームじゃなくてよかったの?」

「うん!柑橘系の香りはいつも使ってるから、他の香りの物も使ってみたかったんだ。」

でもね、それもあるけど本当は空斗くんが好きな香りだったからなんだ。

「そっか、それならよかったよ。おれのファインプレーだね!」

「うん、空斗くんのファインプレーだよ! …お会計の前にわたしトイレ行きたくなっちゃったから行ってきてもいいかな?」

「大丈夫だよ。トイレの場所はわかる?」

「えーっと……」

わたしはお店の外に顔を少し出した。そしたらトイレの案内はすぐに見つかった。

「うん!案内出ているから大丈夫だよ!」

「わかったよ。じゃあ、待ってるね」

「行ってくるね。」