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passing

小説や作詞について書きますし、余計なこともたくさん、そして自分の決心について日々思うことなんかも書くかもしれません

「Air」.113

…そうだ、撮影!

わたしは今日の撮影のことを思い出して慌ててメモ書きをした。そしてお母さんの肩を叩いてそれを見せた。

『今日は撮影が2時からある!』

「ドラマのことなら大丈夫よ。お母さんが今朝事務所に連絡しておいたから。電話は吉田さんが出たのよ。吉田さんも急だけどしょうがないってわかってくれたし、希の事を心配してくれていたわよ」

『よかった。お母さんありがとうね!』

「どういたいしまして」

『外出したり動いたりするのには何日くらい安静にしていなければいけないですか?』

今度は先生に向かってメモ書きを見せた。撮影もあることだしいつまでも寝てはいられないもんね。

「熱もないことですし、目に不安がなければ別に今からでも外出してもらって構わないですよ。ただ、左目は正常に物事が見えないと思うのでそこは十分気をつけてください」

『わかりました、ありがとうございます。』

「いいえ」

よかった。撮影にはなんとか明日から出られそう。それに空斗くんにも会える。…あ!きっと空斗くんから返事返ってきてる。朝起きてわたしのお返事見たらきっと心配してくれてると思うの…早くお返事しないと。

『吉田さんに連絡入れるね。ケータイどこにある?』

わたしはお母さんにメモ書きを見せた。

「そこに置いてあるわよ」

お母さんが指差す方を見ると、ベッドの横のテーブルの上にわたしのケータイが置いてあった。

「どうやら私よりも希さんの方がメモ用紙を有効に使えているみたいですね」

先生はにこやかに笑っている。

「すいません、使わせてもらっちゃってて」

「大丈夫ですよ、ご帰宅までは使っていて結構ですので。では私はここで一度失礼します」

「先生ありがとうございます」

『ありがとうございます。』

わたしがそうやって先生にメモを向けると笑顔を見せてくれた。