passing

小説や作詞について書きますし、余計なこともたくさん、そして自分の決心について日々思うことなんかも書くかもしれません

「Air」.127

わたしは由紀とあのカフェにいるのが息苦しくなって、あれからすぐにお店を出た。それからは目黒川沿いを一人でお散歩していた。時間をかけていろんなことを考えた。……でも上手く言葉をまとめる事は出来なかったの。だからわたしは何度も空斗くんに会った時に話す予定の言葉を川に向かって口にしていた。でもね、穏やかに流れる川の水たちはわたしになにも返事をしてくれなかった。そんなわたしの姿は劇をする小学生が自分のセリフを忘れないために何度も声に出しているような、そんな姿に一番近かったのかもしれない。上を見上げると終わりに近づいている桜があった。でも、すごく綺麗だったんだ。

昨日から空斗くんへのお返事をする回数は明らかに減っていた。時間は夜の8時を過ぎた頃だったかな。わたしは「大切なことを話したいんだけれども、明日会えないかな?」って今朝以来のお返事を空斗くんにしたの。そしたらすぐに「いいよ」とだけ返ってきた。わたしはその言葉になにもお返事を返さなかった。

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