passing

小説や作詞について書きますし、余計なこともたくさん、そして自分の決心について日々思うことなんかも書くかもしれません

「Air」.132

その日は吉田さんが送っていってくれると言ったけれども、自分で帰った。それは途中にどうしても寄りたい場所があったから。

希は大修道院に着くと紗枝さんに連絡して無理を言って会ってもらったの。昨日と今日とに起きたことを紗枝さんに、敷地内のベンチで時間をかけて説明をした。そしたら紗枝さんは短く言った。「これは極めて稀なケースです。我々では手に負えません。 ……希さん、あなた自身が自ら考えて自分の心の目で感じて行動しなければいけません。そうとしか言いようがありません。我々にはこれ以上は……」 そして場所を聖堂に移し、紗枝さんはあの絵をしばらく見た後に希に言った。「soraが泣いている……」 希はどういう意味なのか何度も聞いたけど、紗枝さんは教えてはくれなかった。

希にとって、一番輝いていた日々に終わりを迎えた。