passing

小説や作詞について書きますし、余計なこともたくさん、そして自分の決心について日々思うことなんかも書くかもしれません

「Air」.141

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街中で小学生が下校する姿が見える時間に、わたしは駅前で人を待っている。

今朝は目を覚ますとランニングに行った。今でももなるべく毎日走るようにしているんだ。でもね、今は走っていることに理由はないの。痩せるためでもなくて、別に健康のためでもない。それに趣味とも違う。理由はわからない…だけれども、自分自身の心のどこかで、きっと自分でも意識できないような心の奥底で、わたしは何かを期待しているんじゃないのかって最近思う。その何かがやってくる瞬間のために。

「お姉ちゃんお待たせ!」

わたしが待っていたのは百合。家でも一緒なのに今日は外で人で話がしたいんだって。

「学校お疲れ様。」

「ありがとうね。お姉ちゃんお腹空いてる?」

「ううん、空いてないよ。」

「よかった。わたしも」

 百合は素直な笑顔でそう言った。

「じゃあ、カフェに出も行く?」

「うん、そうしよう」

 わたしたちは一度駅の中に戻った。そして隣接するデパートの8階にあるカフェに入った。ここのお店はお母さんともよく来るお店なんだ。百合はモカを、わたしはコーヒーを注文した。

「それで、わたしに話したいって事はなに?」

「うん。実はお姉ちゃんに相談したいって事は進路の事なんだ」

「受験勉強上手くいってないの?」

「上手くいってなかったら今頃塾で必死に勉強してるよ。それに受験生にとって大切なこの時期に、わざわざ勉強を休めてでも相談したいとなの」

「それは百合の将来にとってとても重要な話なんだよね?」

「そうだと思う。お母さんやお父さんに話す前にお姉ちゃんに話しておきたくて」

 わたしは一呼吸置いて心の準備をした。妹の相談を真剣に聞くために。

「いいよ、話してごらん。」

「私さ、関西の大学を受験しようと思っている」

たった一言。その言葉の意味を理解するのにわたしは多くの時間がかかった気がした。コンマ何秒の違いかもしれないけど、でもわたしにはとても長く。