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小説や作詞について書きますし、余計なこともたくさん、そして自分の決心について日々思うことなんかも書くかもしれません

「Air」.144

「そっか。百合の好きなようにしてみればいいと思うよ。」

「ありがとうね、お姉ちゃん。…私、お姉ちゃんにずっと聞いてみたかったことがあるんだけどいいかな?」

「いいよ。なに?」

2年前のお姉ちゃんの誕生日、本当に由紀ちゃんと過ごしていたの?」

「……違うよ、由紀じゃないよ。」

「好きな人と過ごしていたんでしょ?」

「そうだね。」

「でも、数ヶ月経って別れてしまったんだよね?」

「そうだけど、でもなんで百合がそのこと知ってるの?」

「知らなかったよ。ただ、お姉ちゃんとお母さんの顔色見てたらなんとなくそう思ったんだ」

 わたしとお母さんの顔色…か。

「そっか。百合はよく見てるんだね。」

「別によくなんか見てないよ。気にしていなくたってわかったもん。あの頃のお姉ちゃん凄く輝いていたから。だから、ドラマも上手くいっていたんだって思う。…もしかしたら、お姉ちゃんの好きだった人ってお姉ちゃんが初めて出演したドラマの現場にいた人なんじゃないかなって私は思うんだ

「どうしてそう思うの?」

「あのドラマのお姉ちゃんを見ていると、大好きな人のために頑張っているような姿にわたしには思えたから。だからお姉ちゃんが今、夢中であのドラマを繰り返し技術的な観点から見ていることが正直…私にはすごく惨めに思える本当は気持ちの問題なのに…… ごめんねこんな言い方しか出来なくて

百合にまで言われてしまった。でも、百合の言っていることは間違ってない。それにやっと問題点に気づくことができた。

「大丈夫だよ。百合の言う通りだと思う。それに女優としての問題点にも気が付くことができたから。」

「違うよ!女優としての問題じゃない。人間としての問題だよ!お姉ちゃんは戻ろうとは思わないの?」

「どこへ?」

「好きな人のところへ」

「好きって言っても当時の話で、今は違う。過去の話だよ。」

「カッコつけないでよ。繰り返しだけど、あの頃のお姉ちゃんが一番輝いていた。妹の私が言うんだから間違いないよ。でもそれ以来、お姉ちゃんはどこか魂が抜けたような人になってしまった。それに徐々に「大人」へと近づいているようにも感じた。…心のどこかでお姉ちゃんはまだ「好き」なんだよ」

「どうだろうね…、わたしにはわからないや。」

「お姉ちゃんこそ自分のこと真剣に考えた方がいいと思う。でも、私はお母さんとお父さんと戦うよ。自分の本物の幸せのために。そうしなきゃ私、親が連れてきた人とお見合いするしか結婚できない気がする。親の都合で結婚するなんて、それは明治民法時代の「家制度」と何も変わらない」

「…そうだね。親の関与が入ってしまったらそれは恋愛結婚とは言えないもんね。家同士の結婚だなんて確かに古い考え方だよね。」

「そう言ってくれて嬉しいよ。ありがとうねお姉ちゃん」

「いいんだよ。わたしこそ今日はいろいろ勉強になったと思うから。」

「お姉ちゃんはこれからもお母さんとお父さんの顔色見て生きていくの?」

「それは…わからない。」

「そっか。じゃあ私先に帰るね。今日は付き合ってもらっちゃったから私が払っておくから」

「え?一緒に帰らないの?」

「姉妹人が一緒に帰ってた後に、私がさっきの話切り出したらお姉ちゃんにまでお母さんの飛び火がくるじゃんだから、私が先に帰るから、少し時間を空けて帰ってきてね」

百合は席を離れてお会計を済ませると、先に家に帰っていった。

誰かとカフェに入ると、わたしっていつも最後は置いていかれちゃうんだね




※僕もあまり好きなところじゃないのでこのあたりが早く終わりになるように長めの物を更新数増やしていきます。

※それと先輩に見せたオリジナルの第3章もそのうち公開……するかもしれません!笑