passing

小説や作詞について書きますし、余計なこともたくさん、そして自分の決心について日々思うことなんかも書くかもしれません

「Air」.145

家に帰って来るとリビングで百合とお母さんは言い合いになっていた。百合のことを助けてあげたい気持ちもあったんだけれども、自分の過去に起きたことを思うと素直に行動には移せなかった。だからリビングの扉近くでこっそりと二人の会話を聞いていたんだけど、しばらくして思った。空斗くんとお母さんが口論になったらきっとこんな風になるんだろうなって。

しばらくしても口論は収まりそうになかったから、わたしは夕ご飯を食べに外に出た家の最寄り駅まで来るとわたしは近くの和食のお店に入ってお蕎麦を食べたんだ。でもね、食べてる時に思い出した。このお蕎麦、わたしがお母さんと大学を卒業してからの進路のことでケンカしていた時期によく食べてたなって。あの頃のわたしはもう二度とこのお蕎麦を食べないようにって毎回食べ終わった後に祈っていた。…上手く言えないけど、二年前のわたしはこのお蕎麦が食べたくなかったんだって思う。でも、今は平気で食べれるんだ。百合の言う通りだね。わたし、ずるいんだよ。

お店を出て帰って来ると家の中は無音だった。でも、時より人の足音が聞こえたからお母さんも百合もいたと思う。わたしはなるべく普通を装って過ごしていたけれども、お風呂以外はやっぱり部屋を出れなかったからこの日家の中で家族の誰とも会わずに寝たんだ。