passing

小説や作詞について書きますし、余計なこともたくさん、そして自分の決心について日々思うことなんかも書くかもしれません

「Air」.146

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約束の時間の20分前にわたしは家を出た。駅には少し早めに着いたけれども、改札口前にはわたしの探している人はもうすでにいたんだ。こうやって街中で私服姿で会うと、普段のシスターさんの格好とのギャップがあってなんだか新鮮さも感じる

紗枝さんと話をするのにどこかお店に入ってもよかったんだけど、わたしは自分の家に招いたの。お店に人で入ると、最後にはいつもひとりぼっちになってしまうから。それにお母さんも今日は留守だったから、もしものことを考えても外に会話が漏れることはないって思った。

「ここがわたしの部屋です。どうぞソファにでも座ってください

わたしは自分の部屋の扉を開けて、紗枝さんを中に案内した。

「綺麗…それに部屋広いね。お部屋は何畳あるの?」

13畳ですよ。」

13畳もあるの?希ちゃんのお家すごいね。初めて会った時からそんな雰囲気があったけど、希ちゃんってやっぱりお嬢様なんだね」

「そんなことないですよ!」

「こんな立派なお家とお部屋見たらお嬢様でしかないじゃん」

「でも、もしかしたらそうなのかもしれませんね。 とりあえずソファにでも座ってください。」

「じゃあ、失礼するわね」

わたしも窓際にあるイスをソファの近くに持ってきて座った。

「それで、希ちゃん。状態はどうなの?」

「普段は平気なんです。でも、撮影が始まると思った通りに出来ないからいろいろ考えているうちに頭がごちゃごちゃになっちゃって余計に酷くなってしまうんです。」

「原因はわかっているの?」

「はい…理由はなんとなくですけどわかっています。」

「話すことは出来る?」

はい。…理由はほぼ間違いなく空斗くんです。」

「…続けて」