passing

小説や作詞について書きますし、余計なこともたくさん、そして自分の決心について日々思うことなんかも書くかもしれません

「Air」.152

家に帰って来ると今日もやっぱり静かだった。百合が部屋で受験勉強をしているからってこともあるけど、お母さんにも生活感が感じられないような気がしてた。今までとは違う静けさの中で、わたしは台本に目を通した後にパソコンを開いて転職サイトを初めて開いてみたところだった。思ったよりも転職先っていっぱいあるんだなって感じた

コンコン

「誰?」

「お姉ちゃん。私だよ」

「百合ね。入っていいよ。」

「ありがとう」

百合がドアを開けて部屋に入った時、わたしはパソコンを隠すように閉じた。

「どうしたの?」

わたしはそう百合に聞きながら時計に目をやった。

920

勉強自体はそれなりにやっていたみたいでとりあえず一安心はした。

「別になんでもないんだ。ちょっと疲れちゃってさ。今、邪魔じゃなかった?」

「受験勉強お疲れ様。大丈夫だよ、特に何もしていなかったから。」

「よかった」

そう言って百合はソファに座ったから、わたしも座っていた机を離れて百合の隣に座る。

「お母さんには一昨日の話もうしたんでしょ?」

「うん。あれから帰ってすぐにしたよ」

「百合の話を聞いてお母さんどんな反応した?」

「お姉ちゃん、お母さんから何も聞いてないの?」

「そうだよ。お母さんとは最近あまり話してないからね。

「そっか。 思ったよりもお母さんは怒っていたよ。もうちょっと聞く耳持ってくれと思っていたけど、私が話を始めたらすぐに怒ってさ。それから私もカッとなっちゃってもう罵り合いみたいになっちゃったよ」

「そうなんだ。やっぱり一筋縄じゃいかないよね。…受験勉強と願書提出の期限、正直今はどっちが不安?」

「やっぱり願書の方かな。勉強は何とかなりそうだし」

「そうだよね。百合はわたしと違って勉強もできるし、どこの大学に行くかってことの方が不安だよね。」

「私、お姉ちゃんがどれくらい勉強できたのか知らないからわからないや」

「ははっそうかもね。でも、百合の方が間違いなく勉強はできると思うよ。 ……ごめんね。まだお母さんにわたし話せてないんだ。」

「大丈夫だよ。本来お姉ちゃんには関係のないことだし、わたしの問題をお姉ちゃんにも押し付けて迷惑かけちゃってるだけだから

「別に迷惑だなんて感じてないよ。ただ、わたしも百合と同じようにお母さんと対立したことがあるからさ、自分のことを考えると安易には百合のことにも触れられなくて…」

「それは好きだった人のこと?」

その言葉にわたしは驚いた。